
BOIが総額269億バーツ超の新規投資を承認 ― 再エネ、タイヤ用鋼材、ペットフード事業が中心
タイ投資委員会(BOI)は、総額269億バーツ(約8億3,000万米ドル)にのぼる新規投資プロジェクトを承認した。今回の承認には、再生可能エネルギー、タイヤ用鋼材、ペットフード製造といった主要プロジェクトが含まれており、タイ経済の成長力と産業基盤への投資家の信頼を改めて示すものとなった。
再生可能エネルギー分野
承認案件の中には、Gulf Development PCLの子会社による重要な再生可能エネルギープロジェクト2件が含まれる。
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Esan Clean Energy Co., Ltd. は、タイ東北部ムクダハン県において、出力90メガワットの風力発電所に65億バーツを投資。
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Wayu Power Co., Ltd. は、チャイヤプーム県で78メガワット規模の風力発電プロジェクトに38.3億バーツの投資承認を獲得。
これらの事業は、2037年までに国内発電量の50%を再生可能エネルギーで賄うというタイ政府の目標達成を後押しする。
産業製造分野
Xingda Steel Cord (Thailand) Co., Ltd. は、チョンブリー県のロジャナ工業団地において、総額130億バーツを投じて新工場を建設する計画が承認された。同工場では、スチールコード、ビードワイヤー、スチールワイヤーなど、高強度の鋼材を年間約26万トン生産する予定。親会社である中国・江蘇興達鋼線有限公司は世界有数の鋼線メーカーで、業界トップ5に入るグローバル企業である。
ペットフード分野
一方、ペットフード大手の Perfect Companion Group Co., Ltd. は、バンコク近郊サムットプラカーン県のM. Thai Estate工業団地での生産拡張に総額35.4億バーツの投資承認を獲得。同施設では年間約81,570トンのパッケージ入りペットフードを生産し、そのうち半分を輸出市場向けとする予定。
同社は1989年設立で、犬・猫・魚・馬・ウサギ向けに「SmartHeart」「Me-O」「Saiteki」「Optimum」「Maxwin」「APro」などの有名ブランドを展開している。
2025年上半期におけるBOI投資申請額は前年比139%増の1兆600億バーツ(約325億米ドル)と過去最高を記録。そのうち外国直接投資(FDI)が全体の70%を占め、タイが戦略的投資先としてますます注目を集めていることを示している。
出所:
Thailand Board of Investment (Press Release)

GDM編集部